眼が痛い:前編

眼の痛みの原因は様々です。

1  眼瞼や皮膚の痛み

  • 三叉神経痛:突発的な電撃痛で持続時間は短い。顔面への接触、摂食などを契機に発生
  • 帯状疱疹:片側の眼瞼や眼上方の皮膚に明らかな痛みを訴える場合には帯状疱疹も疑う。僅かな発赤や水疱が見られることがある。

2 機能的眼痛

  • 眼精疲労:遠視や間欠性外斜視、老視などの患者が読書やPC業務といった近業を継続的に行うことで起こる眼痛である

3 眼周囲および視器障害による眼痛

  • 霰粒腫:不快感と眼周囲疼痛を訴えてくることがある。炎症により眼表面は乾燥し、熱感、掻痒感、流涙そして充血の原因にもなる。
  • 結膜炎:アデノウイルス感染による急性の流行性角結膜炎では、相当な眼痛を訴えるケースが見られる。
  • 上強膜炎・強膜炎:充血や眼痛が強いことが多い。
  • 角膜疾患:角膜異物、角膜びらん、角膜上皮剥奪はいずれも疼痛を伴う。
  • ドライアイ:ドライアイは成人の10~15%を侵す。その症状は頭痛と似ていることがある。角膜表面は三叉神経の分布が多く、乾燥が疼痛を起こす。
  • 虹彩炎、ぶどう膜炎:虹彩炎やぶどう膜炎は毛様充血を伴い、毛様痛を訴える。眼痛、光の笠、視蒙、充血を伴う。〇緑内障:急性閉塞隅角緑内障や血管新生緑内障では急激な眼圧上昇で眼痛を訴える。
  • 前房出血:眼球打撲による外傷で隅角解離を生じた場合、前房下方に血液が貯まる。網膜剥離合併も考える。

今日はここまでにさせていただきます。

コラム

前の記事

拡大読書器
コラム

次の記事

眼が痛い:後編