眼が痛い:後編

4  眼窩周辺に原因のある眼痛

  • 視神経炎と視神経周囲炎:視力低下と中心暗点を訴え、眼球運動痛も特徴的である。
  • 巨細胞性動脈炎:虚血性視神経炎を誘発する巨細胞性動脈炎では中心暗点ないし上または下の水平性半盲とともに眼痛や頭痛を訴えることが多い。
  • 眼窩筋炎、非特異的眼窩炎症:眼球後方の軟部組織に炎症を来す疾患には血清IgG4抗体の高いミクリクツ病が含まれる
  • 眼窩腫瘍、血管奇形:眼窩腫瘍が疼痛を起こすこともある。
  • 眼窩膿瘍、眼窩蜂窩織炎:先行する副鼻腔炎があり、貯留物が眼窩壁を破り骨膜下に膿瘍を作る。
  • 甲状腺眼症状:甲状腺機能異常を伴い外眼筋に肥大を示す疾患である。

5 頭蓋内の疾患

  • 小血管性眼球運動神経麻痺(糖尿病性眼筋麻痺を含む):糖尿病や高血圧により神経に伴走する微小血管の循環障害を原因とした眼筋麻痺では、突発性複視とともに疼痛を訴えるケースがある。
  • 下垂体腺腫と下垂体卒中:下垂体線腫の多くは疼痛を訴えないが、腫瘍内出血を来すと下垂体卒中と呼ばれる激烈な頭痛と著しいホルモン失調を示す。
  • 頸動脈乖離と脳動脈瘤:頸動脈が内層と外層に解離し、内頚動脈血流が途絶するのが頸動脈乖離である。関連痛として眼痛を訴えることがある。
  • 肥厚性硬膜炎:肥厚性硬膜炎は、硬膜の炎症性肥厚により、頭痛、うっ血乳頭、脳神経麻痺等の症状を呈する疾患である。
  • トローザハント(Tolosa-Hunt)症候群:有痛性眼筋麻痺と呼ばれ、非特異的眼窩炎症と類似の炎症性肉芽腫が海綿状脈洞付近に生ずる。
  • 海綿静脈洞症候群:この診断名は動脈瘤や腫瘍を含めた病巣が海綿静脈洞にあり、その中を貫通する神経に障害を与える病態の総称である。
  • 内頚動脈海綿静脈洞瘻(CCF):内頚動脈の中の動脈血が瘻孔を介して海綿静脈洞に流入し、上眼窩静脈から外頸静脈系に流出するのが典型的病像である。
  • 偏頭痛:拍動性の痛みであることが多い。血管運動神経が活発に働き、その後血管が拡張する痛みを訴える。
  • 群発頭痛:左右片側の眼周囲や側頭部に1時間ほど続く激痛を生ずるもので、同側に眼充血、流涙、眼瞼浮腫、紅潮、縮瞳、眼瞼下垂等を伴う。

眼周囲の痛みを考える場合、その疼痛が神経からの痛みなのか、神経を障害しての痛みなのか、あるいは心因的な痛みなのかを考えてみる。一方、その原因病巣は眼科で治療すべきものなのか他科で診てもらう疾患の場合もあります。眼痛についてお悩みの方は一度ご相談に来られてはいかがでしょうか。

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